【ネタバレあり】劇場版艦これ 感想

一ヶ月以上放置してました しりうすです。

今日の夕方ごろに少し時間が開いたので劇場版艦これを見てきたので感想を述べます。

 

 

ストーリー面 ☆☆★★★ まずまず

f:id:atcgouch:20161130000146j:plainキマシ

ぶっちゃけ史実はそんな詳しくないのであっさりといきます

始まりは漆黒の海を駆ける第八艦隊*1のシーンから始まります。はなっからシリアスな戦闘シーンを入れてきて、旗艦鳥海が頭に切り傷を負い出血したので「おっ、これは期待していいか?」と少し心躍ったのを否定しません。

一連の戦闘が終わったのち、如月がドロップ…というか浮かんできて救出されます。艦娘は轟沈すると深海棲艦になり、轟沈させられると艦娘として復活するというのは二次創作で多く見られた設定ですが、一度沈んだ如月が地上にいながらも徐々に深海棲艦として侵食されていく様は真新しい設定だったように思います。

この段階で私の脳内では以下の2択が浮かんできました。

  • 南方海域へ出撃した傍ら、泊地では完全に深海棲艦として覚醒した如月が破壊行動をするも、睦月が死に物狂いで制止したおかげで深海棲艦如月は意識を取り戻し味方として加勢→敵を全滅→「睦月ちゃん、私が私でいられるうちに私を眠らせて…」END
  • 出撃した艦隊のピンチに如月が駆けつけ、窮地を脱出しつつ如月自身はまた会おうね的な消え方をしてEND

まぁ後者だったわけですが、予想がついてしまったことを映画の責任にするつもりはありません。

 

ストーリーのバランスが少し悪いなと思ったのが、吹雪メインなのか睦月/如月メインなのかちょっと不明瞭なところですね。アイアンボトムサウンドのラスボスは「もう一人の吹雪」でしたが、その解決方法には吹雪同士の戦闘があったわけでもなく説得…というか分かり合いでした。しかし劇中で一番感情を揺さぶったのは睦月/如月組の出会いと分かれ、そして再会です。結果的に吹雪の立ち位置がビミョーに思えました。

さらに問題なのは「映画でこういうシナリオが作れたのにTVでは何故そうしなかった?」という疑念が浮かんでくることです。TV版のことは忘れろ、というTwitterの声も見ましたが、TV版の視聴を前提としているこの作品で忘れるという選択肢は実質存在しえません。

したがって劇場版の評価は★3でありますが、TV版を含めた「映像作品としての艦これ」の評価は★1から★0.6に落ちました。デザートくらいしかまともに食べれないレストランの評価は低いです。

戦闘描写 ☆★★★★ 良い

f:id:atcgouch:20161130004930j:plain鳥海がカッコ可愛い

序盤から夜戦描写があり、探照灯を用いることによる被弾のリスクが描かれており良好。最初の夜戦では鳥海がこめかみにつけた探照灯を破壊され、頭部に切り傷を負い出血します。別に血が好きとかではなく、轟沈してキャラクターを喪失するゲームにおいて出血一つないのは不自然ですからね。

比叡が好きということもあるんですが、頭から血を流している比叡が被弾のリスクを承知しながら探照灯を当てるシーンからは決死の覚悟を感じ取れてよかったです。その探照灯に応じて大和が「ありがとう」の一言で主砲斉射するのはジーンと来ました。パンフレットのP32-33にも描かれていて嬉しいですね。

吹雪を魚雷から庇うために、艤装を盾にして身体を倒し被弾する大和も良いシーンでした。中大破してろくに動けないのに砲撃で支援・撃破する勇姿も見ものです。

キャスト ☆★★★★ 良い

  • ちゃんりな(日高里菜さん)作品でした。
  • 種田梨沙さんは療養中もあってかおそらく1~3くらいしかセリフがありませんでしたね。明石の数セリフ程度
  • 加古がちょこっと喋ってくれたので大井北上以外の声の大坪由佳さんの声を聞けたのは貴重でした。
  • 藤田咲さんの時津風が非常によろしかったです。藤田さんの元気な声はこっちも元気にしてくれます。
  • 小倉唯さん演じる時津風も登場。ただセリフそんなに多くなかったですね。
  • 大和役の竹達彩奈さんが吹雪絡みで良く喋ってくれましたし、普段の温和な会話から上記の被弾後の気張った声と色々美味しく楽しめました。
  • 比叡のセリフが多かったので東山奈央さんポイント上昇。

全体を通して ☆☆★★★ まあまあ

映像作品としての出来は及第点、むしろ良い部類だったように思えます。私の歴代アニメ映画のベスト10に入ることはありませんが、単体としての評価は決して悪くなく、むしろ順当なアニメ映画だったと評価しています。

珪素おじさん*2としてはどこまでハートをえぐってくるのかも少しは期待しましたが、結果的に如月が帰ってきたので「ここはそういう地平線の向こうなのか」と少し思いました。

他人に勧めるか? 条件付きYES

  • TV版を見ている前提のアニメなので、TV版の終わり方にモヤモヤを抱いている人に限定して「お口直しとして」視聴しても良いのではないでしょうか。
  • TV版を見ていないが、ストーリーは気にしないなら一つの映像作品として視聴しても良いと思います。作画崩れのようなものは見受けられませんでしたし、演出も良好です。
  • TV版+劇場版をこれから全部見ようと思っている人には、そもそもTVアニメ版をオススメしないので二次創作で止めておくのが気持ち良いと思います。

 

終わりに

Twitterでは「映画の出来は良いから見てみろ」という呟きが多く見られたのですが、私としては「汚名返上のための映画」であるならば絶対に見たくないという気持ちでした。しかしそれは見る側の捉えようなのであくまでニュートラルな気持ちで見に行こうと決心したわけですが、思いの外悪くなかったですね。

とは言え、ブラウザゲームとしての艦これは正直やる気が全くしませんし、アーケードにも別段魅力を感じない(どうせなら回転率の高いbeatmaniaIIDXやります)ので劇場版で艦これに区切りを付けるというのも悪くないのかなと思ったりしました。

そういう意味ではスッキリとした終わり方になりそうな気がします。

 

それでは。

*1:旗艦・鳥海改ニ、青葉、加古、古鷹、衣笠、天竜

*2:蒼穹のファフナーが好きな、同化現象が起きてる人