MBTI: ENFPとは結局何であるかを(略)part2

先日の記事をまとめてからも色々なwebサイトを巡っていたが、いろいろな解釈が出てくるものだ。

引き続き自分用のメモということでそれを書き並べていく次第である。

MBTIをキャリアアップに用いる例

マイヤーズ・ブリッグス性格タイプでキャリアアップを図る | Indeed (インディード)

なるほど、性格上何が向いているか否かをキャリアアップに活かそうというものだ。

一つの仕事を長続きさせれば基本的に技量は向上していくものであるから「仕事ができる・できない」を問うことはできないが、性格的な向き不向きというのはある程度絞り込むことはできるのだろう。

ここではENFPは以下の通りに書かれている。

11. 広報運動家型 (ENFP)

外向型 (Extraverted)、直観型 (Intuitive)、感情型 (Feeling)、知覚型 (Perceiving)

広報運動家型 (ENFP)は、多くの職場で力を発揮するタイプです。革新的で影響力があり、リスクを取ることを恐れません。広報運動家型は全人口の約7%を占め、男性よりも女性にこのタイプが多い傾向があります。個人やグループが力を発揮する方法を見抜くことができ、組織の中で自然にリーダー的存在となります。わくわくする気持ちを大切にし、曖昧で実験的な試みから学ぶことも楽しめます。自分や周りの人々がキャリアで最大の可能性を発揮できるよう求めます。

多くの職場で力を発揮できるとのことだが、それは仕事の内容や職場にいる人間次第だと思うのでなんとも言えない。だいぶ「大きい」言葉を使っている印象。

上記のページのリンクからは飛べないが、他にENFPに向いている仕事にフォーカスしたページがあったので貼る。

広報運動家型 (ENFP) におすすめの職業 | Indeed (インディード)

 

途中で

全人口の約8% を占め、男性よりも女性に多く見られます。

と記載があり、上記の約7%と記載が違うが大丈夫か?という気持ちになったのが正直なところではあるが…ともかく。

  • 個人やグループが力を発揮する方法を見抜ける
    • それにより自然にリーダー的存在になれる(?)
  • 自分および周りの人々が最大限に価値を発揮できるよう望んでいる
  • 友好的で率直的に発言する
  • わくわくする気持ちを大切にし、曖昧で実験的な試みから学べる
  • カジュアルな職場環境に惹かれる
  • 細かいことを気にしないために公務員、企業の仕事を避ける傾向
  • 金銭面よりは情熱的な目標を動機にする

とある(次の文の展開に合わせて項目の順序を少し入れ替えた)。

まず1~3項目を見るにグループとしての成長が必要なときに適材であることがわかる。グループメンバーがそもそも成長を求めていることが大前提だが(成長に興味がない人というのも世の中にはいる)彼らの力の発揮のさせ方がわかっており、その価値を伸ばして欲しいと願っていることは一種の指導役や管理役として望ましい素質だろう。「リーダーは友好的であるよりも命令的であってほしい」とする社風も世の中にはあるが、人員の力量を伸ばす意思がある人材というのは無気力な人よりはずっとありがたい存在ではないだろうか。

一方で後半の4-7項目が前半の項目に一種の「制約」というか「絞り」をかけているものである。というのも「好奇心を大切にする」「カジュアルであることを望む」「細かいことは気にしない」「金銭より情熱」は質実剛健の対義語のようなもの。公務員はまさに公にサービスを提供するために奇をてらったようなことは求められていないわけで、自分も小さころからそういったカタい仕事には興味は無かったため不適正なのは個人的に見解の一致するところである。

Indeedの主張するENFP向けの職業

特に出典はないようだが、「研究によると」クリエイティブおよび意義を追求する職業に適性があるとのことだ。就職・転職界隈ではクリエイティブという単語に若干の誤解があるようだが(主にIT方面。プログラミングするものであれば何でもクリエイティブだと思っている節があるのではないか?幸いIndeedはこういった解釈はしてないようだ)、いわゆる「表現系」なものであるようだ。また後者の「意義を追求」というのも社会を意識したものであるから教師やケースワーカー、医療方面であるとのことだ。

表現系
  • 俳優、コメディアン
  • 楽家
  • ライター・コピーライター・脚本家
  • レポーターおよびニュースキャスター
  • グラフィックデザイナー・webデザイナー
  • 写真家
  • PR担当
社会的な意義を追求するもの
外向的な特性から得意とみなされるもの

「広報運動家型(ENFP)は外向的なため人脈づくりや説得が得意です」とのことで以下の仕事にも適正があるという。

  • プロダクトマネージャー
  • 起業家
  • アカウントマネージャー
  • セールスマネージャー
  • 不動産仲介
  • カスタマーサポート担当
  • 販売員

確かに上記の職には外向的特性が必要であるが、ENFPに適職かと言われると微妙なところだと思われる。特に、○○マネージャーはマネジメントをするからそう呼ばれるのであり、果たして管理する仕事はENFPに適しているだろうか?

避けたほうがいい職業

上記の適職と併せて、「避けたほうがいい職業」という一覧がある。

  • 機械工学
  • 化学工学
  • 土木工学
  • 銀行業
  • 金融
  • コンピューターサイエンス
  • 実験科学

上記は「一人で過ごす時間が多く、細かい作業に没頭する必要があるため消耗が激しい」という理由で並べられているものだ。「○○工学」は職業と呼べないはずだが、要はその専門性を持って黙々と課題解決に取り組む技術者・専門家が向いていないという話であろう。彼らだって仕事の上でコミュニケーションをすることは当然あるだろうが、コミュニケーション自体が仕事ではないからENFPにとっては消耗する内容であると。

得意・苦手な状況

今までは「得意な仕事」という観点であったが、このページは状況の得手不得手を述べることで締めている。

得意な状況
  • パフォーマンス・プレゼンの準備ができている状態
  • 長期的な計画をクリエイティブに考える(?)
  • チーム育成の活動に参加することや同僚との交流、顧客と会うことを楽しめる
苦手な状況
  • 孤独で刺激が感じられない状況
  • 長時間において細かい作業を求められる状況
  • 完成した仕事をやり直さなければならない状況

まとめて考えてみる

興味が向いている(好奇心がある・情熱がある)うちは大抵の仕事も問題ないという期間限定バフがあった上で、それが切れたあとも続く仕事を選ぶと良いということだろう。

基本的な欲求としてアート系というクリエイティブか、人と接する(会話が発生する)仕事が適正であると言えそうだ。

状況的の観点で考えるとクリエイティブは「苦手な状況」が往々にして発生しうるものであるので(特に作家のたぐいは孤独)、アート系ならなんでも良いやというわけでもない。

当然ながら「嫌なことを全て避けられる理想的な仕事」なんてものは存在しないので折り合いを付ける必要はあるが、発端の性格診断そのものが理想的かと言うと怪しい代物なので「どうやらMBTIではそういう適正になっているらしい しらんけど」程度に捉えておくのが安全ということだろう。